周年記念品製作の裏側:サンプル(試作品/現品校正)って、何のためにつくる?
第5回 「サンプル」は、何のために作るのでしょうか?
オリジナルの周年記念品を製作するとき、サンプル(試作品)をつくることがあります(メイクワンでは7〜8割がたのお客様にサンプルをご製作いただいています)。
「完成品をつくる前に、イメージを確認するためのもの?」 そう思われる方も多いかもしれません。 もちろん、実物を見ることで初めてわかることはたくさんあります。 ただし、サンプルの役割は、それだけではありません。
今回は、普段はなかなか見ることのないサンプルづくりの裏側についてご紹介します。
デザイン画だけでは、わからないことがある
オリジナルの記念品をつくるとき、まずデザインを検討します。 平面のデザイン画や3Dデータなどを見ながら 「この形ならよさそう」 「このくらいのサイズがよさそう」 と検討していきます。
しかし、画面上で見るものと、実際に手に取る「もの」では、印象が異なることがあります。 例えば、
・実際の大きさ
・重さ
・厚み
・素材の質感
・光の反射
・文字やロゴの見え方
・立体感
・全体のバランス
など。
特にクリスタルガラスのように実際の光や透明感が仕上がりの印象に大きく関わる素材では、実物になって初めて確認できることもあります。 だからこそ、実際の製品と同じものをつくって確認することには、大きな意味があります。
サンプルの役割は「完成品の見本」だけではない
サンプル/試作品というと、「完成品の小さい版」や「簡易的なサンプル」をイメージするかもしれません。 しかし、オリジナルの周年記念品では、実際の製品版と同じものを製作して確認することが多々あります。
同じ素材、同じ形、同じ加工方法。
本番と同じ仕様で一つ製作することで、実際に完成したときの状態を確認することができます。 これは、デザイン画やCGだけでは確認しにくい部分を、実物で確かめるための大切な工程です。
「思っていたより大きい」「ここはもう少し…」
実物を見て初めて気づけることもあります。
「画面で見ているとちょうどよく感じたサイズが、実際に置いてみると少し大きく感じる 」「ロゴの位置は問題ないと思っていたけれど、実物ではもう少し小さくしたほうが全体のバランスがよさそう 」「文字は読めると思っていたけれど、実際の加工を見ると、もう少し見え方を調整したほうがよさそう」
こうした感覚は、画像だけでは判断しにくいものです。 サンプルを手に取って見ることで、「頭の中/画面上/紙上のイメージ」と「実際のもの」の違いをはっきりと確認できます。
製作する側にとっても、大切な確認
サンプルを確認するのは、お客様だけではありません。 製作する側にとっても、実物を確認する重要な機会です。
・デザインどおりに加工できているか。
・素材と加工の組み合わせに問題はないか。
・全体のバランスは適切か。
・想定していた仕上がりになっているか。
実物を製作することで、設計や加工方法を見直したほうがよい部分が見つかることもあります。つまりサンプルは、単なる「お客様への確認用サンプル」ではなく、本製作に向けて、製品そのものを確認するための工程でもあります。
サンプルを見て、変更することもある
サンプルを実際に確認した結果、仕様を調整することもあります。
「ここはもう少しシンプルにしたい」 「この部分は、もう少し存在感を出したい」 「実物を見ると、このサイズのほうがよさそう」 など、実際の製品を見たからこそ出てくる意見があります。
また、製作側から「こちらの加工方法のほうが、よりきれいに仕上がりそうです」 「この部分は少し形を変えたほうが、製品として安定します」 といった提案につながることもあります。 こうしたやり取りを重ねながら、最終的な仕様をより良いカタチへと整えていきます。
「つくってみないとわからない」こともある
ものづくりには、デザインや図面だけでは判断しきれないことがあります。
特に、オリジナルの形状や複数の加工を組み合わせる場合には「実際にこの形でつくるとどう見えるか」 「この素材と加工を組み合わせると、どんな表情になるか」 を、実物で確認することがとても重要になります。
だからこそ、サンプルは「念のためにつくるもの」ではありません。 完成するものを、完成する前に実際に確認する。 そのための大切な工程なのです。
周年記念品だからこそ、実物で確認する
周年記念品は、何十個、何百個と同じものを製作することが多いです。 一度本製作が始まってから、大きく仕様を変更することは簡単ではありません。 だからこそ、その前に実物を一つつくり「この仕上がりでよいか」 「この仕様で進めてよいか」 を確認しておくことには意味があります。
特にオリジナルの記念品では、最初からすべてを正確に想像することは難しいものです。実物を見て、触れて、確かめる。その確認があることで、完成品に向けて安心して次の工程へ進むことができます。
ひとつのサンプル製作にも、ものづくりの工程がある。
サンプル/試作品だからといって、簡単につくれるわけではありません。
デザインを確認し、素材や加工方法を検討し、実際に製作する。
そして、できあがったものを確認し、必要に応じて調整する。
その一つひとつが、最終的な周年記念品をつくるための工程につながっています。 完成した記念品だけを見ると、その前にサンプルがつくられていたことは、なかなか意識されないかもしれません。 でも、その一つがあることで「思い描いていたもの」と「実際にできあがるもの」をより正確に近づけることができます。 これも、周年記念品が完成するまでにある「裏側」の一つです。
次回は、記念品を製作する際に気になる方も多い、「複数社に見積もりを取ったほうがいい?」という疑問について。 相見積もりをするとき、どんなところに注意すればよいのかを、製作側の視点から考えてみます。
(この記事は全8回の連載記事となります)
第六回に続く(10/7更新予定)>>
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